犬のデンタルケア用品(ガム)って効果あるの?
昨今、犬のデンタルケア用品としてペット用品店には様々なグッズが販売されています。
そこで、ふと疑問に思ったことが。
「何かを噛んだくらいで歯のケアになるの?」
人間だって毎日歯磨きをして、それでも歯のケアに苦労しているんです。
何かを噛んだくらいで、そんなにうまくいくものなのでしょうか?
人間と違って、商品に科学的根拠が薄い商品もあるのでは?
そんな疑問を解消すべく、もと医療関係企業にいた店長は文献を探してみました。
さっそく見つけたのが“デンタルガムによる犬の口腔内衛生効果”という文献
“グリニーズ ティーニー”という犬用ガムの効果を検証したものでした。
対象はミニチュアダックスフントを12頭、ガム使用時、非使用時の歯垢の具合などを検証されていて、クロスオーバー(各ワンちゃんが使用時、非使用時の試験を時間を空けて両方受けるパターン)で検証されています。動物臨床医学17(4)109-115,2008 The Role of a Dental Chew in Maintaining Periodontal Health in Dogs
そもそもなぜガムは歯にいいのか
難しい試験の話になるまえに、そもそもなぜ犬用ガムをかませると良いのでしょうか?
その答えを考えるうえで重要なのが歯垢、歯石というキーワードです。
日々の食事に伴い、人間と同じようにワンちゃんの歯にも、歯垢、歯石といったものが溜まります。そこにある細菌が増殖することで歯周組織の炎症につながるのです。
そうならないように、人間は歯磨きをしたり、歯科医院に通ったりしますが、犬も同じことのようで。歯垢、歯石を残してしまわないような手段の一つとしてガムをかませるようです。
もちろん噛むという行為そのものによるストレス解消や食味による満足感、おもちゃとして遊ぶことも目的でしょうが、鹿の角含むデンタルケアグッズは多種多様なラインナップでペット用品店に売られていますよね。
デンタルガムの効果は歯の部位による
人間が口の中を満遍なく丁寧にブラッシングして歯の健康を保っていることを考えると
いかに生物的に違うとはいえ、ガムを噛んだだけでデンタルケアとはむしがよすぎるのでは?と思って調べ始めた今日の企画ですが、やはり文献を読んでみると、ガムを噛むことが効果的に作用する歯とそうでない歯が存在するようです。
具体的に言うと裂肉歯、上顎第1後臼歯という食物をかみ砕き飲み込めるようにするような歯で効果的だったという話と、一方で犬歯や切歯といった前の方についているような歯で効果的でなかった結果も出ていて、総合してみると歯に良さそうですが、万能ではないようです。 歯肉炎という意味で行くと、歯茎などに不適切に接触してしまうと炎症を起こしてしまうので、噛み方の癖によっては合わない子もいるみたいです。
愛犬家の方には釈迦に説法ですが、注意深く見てあげることが大事なのは何事も同じなのかもしれませんね。
噛み癖&ストレス解消
もちろん、こういったグッズはおもちゃとしての側面もあるので、噛み癖のある子にとっては、良いアイテムだったりするかもしれませんね。
今後は、噛み癖やストレス解消についての研究なんかも無いのか調べてみたいと思います。
まとめ
犬のデンタルケア用品(ガム)についての効果について調べてみました。ガムを噛むことによって、歯垢や歯石を予防する効果があることが示唆されていました。裂肉歯や上顎第1後臼歯といった食物をかみ砕く歯に対しては効果がありそうでしたが、犬歯や切歯などの前方の歯には効果が限定的なようです。また、噛み方の癖や歯茎に不適切に接触することで歯肉炎を引き起こす可能性もあるため、注意が必要そうです。ただし、ガムは噛み癖のある犬やストレス解消のためのおもちゃとしても利用できることも考えられます。総合すると、犬のデンタルガムは歯のケアに一定の効果がありますが、全ての歯に対して万能ではないため、注意深く使用する必要があります。今後は、噛み癖やストレス解消についても知りたいところですね。
また面白そうな話題がありましたら会いましょう ではでは。
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